恋がいた部屋

ヒ:なんだよ・・・。
ミ:そこまで。熱があるんでしょ?


ヒ:じゃ、抱いてるだけ・・・。
ミ:う~ん・・・。あ、薬飲まなくちゃ。あ~んして。はい、お水。


ヒ:(ゴックンと飲む)ねえ、いいじゃない。
風邪じゃなくて、知恵熱なんだから・・・。ね。
(顔を覗く)

ミ:・・・バカ。じゃあ、ちょっと抱くだけよ。


ミンスはヒョンジュンに抱かれてベッドに一緒に倒れこんだ。



ミンスはたまに自分でもイヤになる時がある。


ホントは好きで好きでたまらないヒョンジュンなのに、たまに姉のことが頭をよぎって、ヒョンジュンへの気持ちに水を差す。


他の男なんて、ぜんぜん目に入らないのに・・・。


ヒョンジュンはミンスより7歳年上の34歳で、二人は幼馴染だ。
何を隠そう、ミンスの姉のヘスとヒョンジュンは、かつて恋仲で、二人は駆け落ちまでした。

ヒョンジュンが22の大学生の時に、26才の姉のヘスと恋に落ちた。
二人はその年の差とヒョンジュンがまだ大学生ということから、双方の両親から猛反対を受け、駆け落ちをした。


それがたった5日間という短い期間で帰ってきた。


姉曰く、「考えてみたら、ヒョンジュンは弟のようなものだった・・・」


二人に何があったかはわからないが、それで、二人はキレイさっぱり簡単に別れてしまった。




3年前に、ヒョンジュンの出入りする画廊に、ミンスが仕事の関係で食器のコーディネイトを頼まれてやってきたところで、二人はばったり再会した。



それから、意気投合して、恋人同士になった。


たぶん・・・人はこれを恋人というだろう・・・。


日々一緒に過ごし、一緒に笑い、お互いの世話をし合う・・・
そして、お互い、恋しくて仕方がない。




それがある日、ミンスの頭の中で異変が起きた。