恋がいた部屋

ミ:これで、よし! ねえ、熱いよ。

ヒ:少し冷ましてよ。

ミ:フーフーする?
ヒ:・・・うん。(ニコッとする)

ミ:子供・・・。(笑う)


ミンスは猫舌のヒョンジュンのために、
ベッドの横のテーブルの上においたおかゆを茶碗によそい、
レンゲですくって、フーフーと自分で冷ましてから、
茶碗をヒョンジュンに渡した。


ヒ:サンキュ!


ヒョンジュンは起き上がって、自分でもフーフーと冷ましながらおかゆを食べ、
ミンスを見た。



ヒ:個展の日はあけてあるんだろう?

ミ:もちろんよ。ちゃんと全部行くわよ。
ヒ:うん・・・。(にっこりする)

ミ:ほら、余所見しながら食べると、こぼすわよ。
ヒ:うん・・・。今日は・・・このまま、ここにいてくれる?

ミ:今日はねえ・・・夕方から用があるんだあ・・・。

ヒ:何の?

ミ:お見合い。

ヒ:え?・・・ゴホン!ゴホン!(咳き込む)
ミ:バカね、大丈夫? はい、ティッシュ。

ヒ:(ティッシュで口を拭きながら)・・・なんだよ、見合いって。

ミ:ふん。(笑う)お見合いというか、まあ、合コンね。相手は医者ばかりだって。



うれしそうな顔でヒョンジュンを見た。


ヒ:・・・そんなの、行く必要ないじゃない。
ミ:駄目よ。いい男がいるかもしれないもん。

ヒ:(小さな声で)・・・オレがいるのに・・・。
(そう言っておかゆを食べる)

ミ:・・・お姉ちゃんのお下がりじゃあ、イヤなの・・・。
(ちょっとふくれてヒョンジュンを見る)

ヒ:・・・。(ミンスを見る)

ミ:・・・。

ヒ:おまえも根が深いな・・・。

ミ:だって・・・そうでしょう・・・。

ヒ:22の時のことだよ・・・。もう12年前だよ・・・。
ミ:でも、駆け落ちまでしちゃったんだもん・・・駄目よ・・・。
ヒ:・・・今は、おまえが一番好きなんだからさあ・・・。

ミ:でも・・・そういうこと、お姉ちゃんにもしたでしょ?

ヒ:・・・。くどいよ・・・。オレたち、こんなに長く一緒にいるんだよ。

ミ:だけど・・・ヒョンジュンに触られると・・・お姉ちゃんのこと、たまに、思い出しちゃうの。

ヒ:ふ~ん・・・。