結姫が亡くなって10年。

俺は医者として働いている。

10年前、結姫が亡くなって、空っぽになった俺の前に彼女は現れた。

あれは夢だったのか現実だったのか、今でもよくわからない。

けれど彼女は俺の背中を押してくれた。

だから俺は前に進むことができた。

俺は結姫のように病気と闘う人たちを1人でも多く救いたいと思った。

だから俺は医者になることを決心した。

部活を引退し、受験勉強に励んだ。

その結果、今から4年前、無事に医師免許を取得することができた。

残念ながら結姫の入院していた病院で働くことはできなかったが、地元の病院に就職することはできた。

それから2年後、俺は結婚し2人の子どもにも恵まれた。

けれど結姫のことを忘れたことはなかった。

いつも結姫は俺のことを見守ってくれている。