「なーん、なーん」

紅茶を飲んでいたら、マロがどこかを見ながら何回も鳴き始めた。
どこ見てるんだろう?マロが見てる方を向く。

「・・・?」

なんか、草の向こうに人が寝転がってるような・・・?
ん?人?
草をかき分けて進む。

「あれ・・・・っ!!」

寝転がっていたのは・・・普通の人間、だった。しかも、ふぁんたじあ王国のものじゃない。
日本人・・・?ここに日本人がきたことあるけど、野蛮だった・・。
でも、この人は私と同い年くらいで、きれいな顔してて・・・
あれ?
この人・・・倒れてる?
顔が青白いし、震えてるような・・・。

「どうしよう・・・マロ!変身っ」

「なーん!」

マロにそう叫ぶと、みるみるうちに大きくなって私より大きくなった。
なんか、馬みたいに。
すぐに彼をマロに乗せて(もちろん魔法で)、私もマロに乗って走り出した。

「お兄ちゃんに薬作ってもらわないと・・」

今は、どこの人かより、この人の体調が心配でならなかった。