放課後のプールで君と出会ったら



膝をじゅうぶんにのばして、足首も…と考えていると、下を向きながら 横にいた瑞穂ちゃんが ふと、


「碧先輩って、朝陽先輩と 幼なじみなんですよね。」


と、聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声でつぶやいた


朝陽たちは、もう準備運動が終わっているようだった


私がやらなくてはいけないはずの、健康観察を男子の分やってくれている


「うん。そうだよ」


前から薄々、勘付いてはいた。


でも、やはり。という感じ


きっと、瑞穂ちゃんは、朝陽の方が好きなのだと思う


要するに、私の恋敵でもあるってこと。


でもわたしはきっと、幼なじみっていう微妙な関係を壊すのが怖い

告白なんて絶対できるわけないし、いまのままの関係でいい、って思っちゃってるのが本音



「だからあんなに朝陽先輩となかいいんですね〜…。…羨ましいです…」


おっとりしているように見える瑞穂ちゃんの 「羨ましい」っていうのはきっと本音。


瑞穂ちゃんは天然で気づいてないかもしれないけど、私は もう一つ 勘付いていたことがある