「お前、覚えてないかもだけどさ。
俺、夏の大会で個人で勝ったら、高峰に告白するって言ったんだけど、……覚えてるか?」
高峰、というのは碧のことだ。
俺は碧を、幼なじみとしか見たことがない
でも、俺の友達とかから見ると
かなり美人で、スタイル抜群で
結構モテる、らしい。…それ、本当か?
まあそれは置いといて、瀬戸も碧のことが好きだとか、確か前言ってた気がする
「ああ、なんとなく覚えてるよ」
今度こそ、髪がだいぶ乾いた気がしたから、エナメルバッグにタオルを突っ込む
「俺、もう大会出れないからさ…。
だから、一週間以内に、高峰に、告白しようと思う」
「「「え〜!!!」」」
声が重なったのは、後ろで聞き耳を立てていたらしい後輩の声だった
「瀬戸先輩、高峰先輩に告るんスか⁈」
「それマジですか?!先輩」
「おいおい、碧に告るってまじかよ瀬戸」
後輩2人と俺に質問攻めにされる瀬戸が
「お前らきいてたのかよ!まあいいか。そう、俺、あいつに近いうち告る」
髪を無造作に拭きながら、瀬戸は男らしくそう言った
かっこいい、こいつなら碧にふさわしいんじゃないか!
幼なじみの俺からも認められた瀬戸なら、きっと碧のボーイフレンドにぴったり、なはずだ!


