親友の彼女のとなりの子







「昨日は雛のこと送ってくれてありがとな」


「あぁ」


「雛のこと送るってお前からLINE来た時は驚いたけどほんと助かったよ」


「界くん!一ノ瀬くん!」


「雛!と凪」


「おはよう!あ、一ノ瀬くん、昨日は送ってくれてありがとうね」


「ん、どういたしまして」


「……」


「?、なんだよ、凪は朝から不機嫌な訳?」


「別に…!」




プイッとそっぽを向く凪。




「あ、俺と雛ちゃんが一緒に帰って嫉妬した?」


「嫉妬…?」




冗談で言ったつもりが、凪は真剣な顔でなにかを考えるように黙り込んでしまった。




「いや、冗談だけど…」


「そうなのかもしれない」


「え?」


「嫉妬、したのかもしれない…」


「…まじで?」




凪の意外な言葉に鼓動が高鳴る。




「陽に雛取られて」


「…は?」


「いつも雛の隣はあたしだったから…」


「そっちかよ!逆だろ、雛ちゃんに俺を取られて嫉妬してるんだろ?」


「は…?そんなこと……え?あれ…?そんなことないってば…」




頭を抱え、1人混乱し始めた凪。


その姿に素直に可愛いと思う。




「なににやけてんのよ、陽気持ち悪い!」




考えることをやめた凪は俺をキッと睨み罵倒し始める。




「あ、あの2人、陽と柏木 雛!昨日あの2人が一緒に帰ってるの見たって子がいて…」




その時、近くの女たちが俺たちをチラチラ見ながら話す声が聞こえてきた。




「柏木 雛って界と付き合ってんじゃないの?もしかして陽あの子のこと狙ってたり…親友の彼女なのに」


「逆に柏木 雛が陽のこと狙ってたりして!」


「ありえる!可愛い顔してやることやばー!二股かよ」




界と雛ちゃんは聞こえていないみたいだけど、凪にはしっかり聞こえていたようだった。




「ちょっと!雛はそんな子じゃないから!!雛のことなにも知らないくせに勝手なこと言わないでよ!!」


「え、なに?凪、どうしたの?」


「は…?なによ、あんただって柏木 雛の隣にいれば男が寄って来るからって利用してるんじゃないの?」


「残念だけど、男はみんな柏木 雛ばっかりで隣にいるあんたなんか見向きもしないから〜!」




キャハキャハ笑う女たち。




「そんなこと…ッ、わかってる!!あたしはそれでもいい!雛の隣にいれればそれでいいの!!!」




凪がそう叫んだところで、俺は後ろから凪の目元を片手で覆い、そのままグイッと自分の方に引き寄せた。




「ッ!!!?」


「…言い過ぎ、凪は雛ちゃんを利用するような子じゃないし、雛ちゃんも界に一途だよ、あと凪のこと好きな男だっていると思うけど?」


「そ、そっちが先に口出してきたんじゃん…!もう行こ!」




女たちはバツが悪そうな顔をして立ち去っていった。




「雛ちゃん、凪ちょっと借りるわ、1限出れないから先生に言っといて?」


「えっ、あ、うん!」


「界、俺も1限出ないからよろしく」


「あぁ、…」




俺はそのまま凪を引っ張って保健室へと向かった。