気付けば森を抜けゴールまで着ていた。 あんなに怖くて嫌だった肝試しが、全然怖くなかった というより別のことを考えていて全然周りを見ていなかったのだ 「莉子ー!肝試しどうだった?」 ゴールに着くなり美郷がニコニコしながら聞いてきた。 「それがね、全然怖くなかったの。ていうより気づいたら終わってた。」 私がそう言うと美郷は目を見開いて驚いていた。 「怖がりの莉子が、そんなこと言うなんて信じられない。」 信じられないのも当然だ。 自分が一番驚いているから。