同時にポツリと呟かれた声。

パシッ
・・・ドゴッ!!

「え?」


澪の前に突然現れた黒い背中。
その黒い背中の前には、腹を抑えてうずくまっている男。

「リュウ!!
・・・君達、大丈夫?ケガはない?」


黒い背中の前から、駆けてきた男が2人に声を掛ける。

「あ・・・はい。大丈夫です。」


答えない澪の代わりに華が答える。

「良かった!女の子にケガでもあったら大変だからね」


ニカッと可愛らしい笑顔を向ける男。

(子犬系・・・。いや、そんなのはどーでもいい。
・・・この男・・・!!)

ガッ!


澪は目の前の未だに背中を向けている男の肩を掴み、

「ちょっと!アンタがやらなくても私1人でシメれたんだけ
ど!?
ジャマしないでよ!」

「ちょ、ちょっと澪ちゃん・・・」


苦笑いの華と、驚きで目を見開いている子犬系。

「・・・あ"ぁ"?」

肩を掴まれ、振り返る男────。

どこかの俳優かモデルのように整った顔。
髪は黒で、切れ長の目。
その整った顔の眉間には思いっきりシワが寄り、
漆黒の目が鋭く光る。

「だから!助けてくれなくても、良かったって言ってるの!
チッ・・・クソ男。」

「はぁ!?舌打ちしてんじゃねーよ!クソはてめーだろ!
クソ女!」




これが────
白(シロ)の出会い。