龍が体温計を確認して、

「37.2℃。大丈夫そうだな。
俺、帰るけど何かあったらすぐ呼べよ?
あと、もうトラさんには連絡してあるからお前明日は休めよ。」
「ありがとう。色々迷惑かけてごめんね。」
「いいって。気にすんなよ。もう寝ろよ?」

そう言って龍は澪の頭にポンと手置いて

「じゃあな。」

と優しく笑って帰っていった。

(どうしよう。今絶対顔赤い。
・・・クソ男なのに・・・)


自分の部屋に戻った龍。

(アイツの弱ったとこ初めて見たな・・・。)

いつも元気で龍にも毒舌の澪。今朝見た瞬間に澪のいつもと違う様子に気付いた。
すぐに前日の雨のせいで風邪を引いたんだと思い、栄養ドリンクと澪の好きなカフェオレを買ってきた。
澪が帰ったことを確認したら、華に澪の様子を見るように頼まれて。

(つーか、薬嫌いだから飲まねーとかガキかよ。)

薬と水を飲まない澪に口移しで飲ませた。
それも2回も。

(看病とはいえ、口移しとかお粥作るとか前までの俺だったらありえねーな・・・
でも・・・アイツほっとけなかったし、なんでかわかんねーけど看病してるのが嫌じゃなかったな・・・)

龍はそんな事を考えながら眠りについた。
澪から連絡があってもすぐに気付くように、スマホを握りしめて・・・。