そんな2人は駅から、本庁までの道を並んで歩いている。
・・・そして────。
「キャアーッ!!」
「っっ!?」
悲鳴のした後方を振り返ってみれば、
大柄な男がこっちに向かって走って来ている。
その少し後ろには、座り込んでしまっているOLであろう女性。
男の手には・・・女性物のバッグ。
「・・・ハァ・・・。」
澪はため息をついて、向かってくる男をじっと見つめる。
「れ、澪ちゃん・・・!」
華が隣で澪を見つめている。
「どけやぁー!!!」
「キャッ」
男が叫び、
澪は隣の華を、素早く自分の背中に隠す。
「クソッ!どけや!!」
男は叫びながら拳を振り上げ、澪に突っ込んでいく。
周囲にいた誰もが、
(・・・やられるっ。)
そう思った次の瞬間。
「「クソはてめーだよ。」」