龍は澪を抱き締めながら、頭を撫でる。

「落ち着いたか?」
「うん。」

龍は抱き締めていた腕を緩め、澪の涙を手の甲で拭う。
「ははっ。ブス。」
「どーせブスだよ。」
「バーカ。」

涙を拭った手が澪の顎を掴み。
口付けられる。
それは深くなっていき、顎を掴んでいた手は腰へまわり、もう一方の手は澪の頭に添えられる。

「ハッ・・・。んっ・・・。」

立っていられないと思った時、離される唇。

「竜也達にそんな顔見せられねーだろ。風呂入ってこい。」
「誰のせいよ!」
「あ?うるせー。また口塞ぐぞ。」
「───っ!バカ!」

赤くなった顔を抑えながら浴室に向かう澪。

「ふっ。」
(俺、アイツだけは絶対離さねぇ。)