「コタくんよりおおきくなれるかなあ」
「たくさん食べて、たくさん寝てればなれるぞ」
「コタくんよりおおきくなったら、希紗がコタくんのこと、たかいたかいしてあげるね」
「それは楽しみだ」
虎太郎さんと希紗ちゃんが、手を繋いで歩く。
その後ろを私は明希ちゃんと並んで歩いていた。
保育園で希紗ちゃんたちと遊んでいたら暗くなってきてしまったから、家まで私を送ってくれることになったのだ。
「今日はごめん、付き合わせちゃって。
希紗と遊んでやってくれてありがとう」
楽しそうに虎太郎さんと希紗ちゃんのやりとりを見つめていた明希ちゃんが、ふと私に声をかける。
声が聞こえてくる方角から、明希ちゃんがこちらを見ていることはわかる。
でもまだ視線を合わせることが躊躇われて、視線を正面に向けたままふるふると首を横に振る。
虎太郎さんからあの話を聞いたあとでは、無碍にあしらうこともできなくて。


