──たった一冊で私たちの毎日を繋げていたノートは、明希ちゃんの癖がない綺麗な字で埋まっていた。


「……っ、うっ、うぅ……」


涙でぼやけて、字が読めない。


泣くな。泣くな。

そう自分を叱責しても、涙は止まることを知らない。


最後のページには、涙が落ちた跡がつき、ぐしゃぐしゃになっている。

そっとそこに触れてみれば、彼の苦しみが伝わってくるようで。

一体どれだけ苦しみながら、このノートを書いていたのだろう。

明希ちゃんの涙を拭いてあげたかった……。


「ふ、う……っ」


『ヒロ』と私を呼ぶ明希ちゃんの笑顔を思い出しては、また感情が決壊して口を手で押さえる。