「明希、ちゃん……?」


路地の真ん中、明希ちゃんが倒れていた。


うそ、でしょう……?


どういう、こと?


頭が真っ白になり、数秒経ってはっと糸が切れたように倒れた明希ちゃんに駆け寄る。


「明希ちゃん……?
どうしたの、明希ちゃん」


自分の口からこぼれているはずの声は、信じられないくらい震えている。


抱え起こした拍子に露わになった明希ちゃんの顔は蒼白で、瞳は閉じられたままぴくりとも動かない。


頭が状況を把握するのと比例するように、鼓動がすごい勢いで加速していく。


意識を連れ戻すように、明希ちゃんの肩を必死に揺する。


やだ、やだ、明希ちゃん。

目を覚まして……。今すぐ、お願い。


「ねぇ、明希ちゃん!
明希ちゃん、明希ちゃん……っ!」