電気もつけず月明かりの中、カーペットに座り込んだ私の前に、明希ちゃんが膝を立てて座る。
「体調は大丈夫?」
「うん。熱はだいぶ下がった」
元気だということを示すように、はきはきと答えれば明希ちゃんの表情が緩む。
「よかった。俺は君のせいで一日気が休まらなかったよ」
「え?」
「好きな子が体調崩したなんて知ったら、すぐに飛んで行きたいと思うでしょ」
「……っ」
ちょっと拗ねたような瞳で言われ、思わず言葉を詰まらせる。
すると、明希ちゃんがなにかを思い出したように、いたずらに唇の端を持ち上げた。
「あ、そーだ。
ヒロ、目、つむって」
「え?」
「ほら、早く」
急かされ、言われたとおりに目をつむる。


