「明希、ちゃん……」
「ごめん、怖い思いさせて」
「うぅ、っう」
明希ちゃんの温もりを直に感じ、さらに涙が押し上げてくる。
どうしよう、涙が止まらない。
明希ちゃんの肩に顔を埋めてしゃくりをあげていると、そっと体を離し私の肩を掴んだ明希ちゃんが、ぼやけた視界の中でふっと破顔した。
「ヒロの涙、やっと見られた」
「明希ちゃんのせい、だから……っ」
「俺のために泣いてくれるなんて、ずるいな、ヒロは」
明希ちゃんの大きな手が優しく私の両頬を包み込み、そっと涙を拭ってくれる。
そして額に自分の額を押し当てたかと思うと、ぎゅうっと目を細めて明希ちゃんが笑った。
「ヒロ、笑って。君の笑顔は無敵だから」
「なに、それ」
涙を流しながら、思わず頬がほころぶ。
ツンとした薬の香りの中。
明希ちゃんの温もりに包まれながら私は、この人を失うことがなにより怖いと、初めて知ったのだ。


