「重くない?」
「だいじょーぶ」
「つらくない?」
「はは、大丈夫だって」
帰り道、私は明希ちゃんの背中に乗っていた。
明希ちゃんが足を挫いた私をおぶると言って譲らず、長距離を歩ける自信もなかったため、結局甘えることにしたのだ。
校舎を離れるまでは、主に女子の視線がだいぶ痛かったけれど。
数歩先を、明希ちゃんのスクールバッグを肩にかけた虎太郎さんが歩いている。
私の記憶が間違ってなければ、だれかにおぶってもらうなんて、小学生の頃お父さんにされて以来だ。
背中に頬をつければ、甘い香水の香りとは違う、柔軟剤の優しい香りがした。
大きな背中は、男子だということを実感させる。


