あっと思ったのもつかの間。
ドアに背をもたれていた私は、そのまま後ろに倒れた。
「……ヒロっ!」
明希ちゃんが手を伸ばしてくれたけど、掴まる間もなく、私は派手に尻餅をついた。
「痛……」
「なにしてるんだ、高垣」
腰をさすっているとそんな声が聞こえてきて、そちらに顔を向ければ、スクールバッグを肩にかけた虎太郎さんが歩いてきていた。
一緒に帰る明希ちゃんを迎えにきたらしい。
私を追うように準備室から出てきた明希ちゃんが、代わりに答える。
「いや、もう全面的に俺のせい……。
ヒロ、大丈夫? 立てる?」
そう問われて、明希ちゃんが伸ばしてくれる手を掴もうと足に力を入れた時、ズキンと走る痛みに気づいた。
もしかして、よろめいた時……。
「……足、挫いたみたい」
「えっ!?」「え」
明希ちゃんの驚く声と虎太郎さんの低い声が、同時に旧校舎に響き渡った。


