「ヒロ、なんか疲れてる?」


「うん、疲れてる」


放課後、私は明希ちゃんのいる美術準備室で、机に突っ伏した。


女子の友達ができる希望的観測が抱けない。


……だけど、私には魔法の言葉がある。


『ヒロはヒロのペースでいい』


私は私のペースで少しずつ前を向いていく。だから諦めない、絶対。


「明希ちゃんも〝ファン1号くん〟も、コミュニケーションスキル高いよね」


突っ伏していた上体を起こし、感心するようにつぶやく。


そもそもの出会いといえば、ふたりとも私に話しかけてくれたんだ。

双子のコミュニケーション能力恐るべし。


「そー?」