「……変わってる」


思わず、思ったままに呟く。


「え?」


「みんな、私とは距離を置きたがるのに」


「そーなの?」


そうなの? って……。

そんな、どうしてって目で見られても。


「だって私、あんまり笑わないから」


すると、彼が眉を下げて笑った。

まるで私が冗談でも言ったかのように、可笑しそうに。


「変だな。俺は、君の笑顔を見て、またその笑顔に会いたくなったのに」


「……やっぱり変わってる」


この人といると、なんだかペースが掴めない。


「俺が? お弁当を重箱で持ってくる君の方が変わってるって」


「三段じゃ少なかったですか?」


「ふはっ。やばい、面白いなあ」


なぜか彼が吹きだす。