何度、この命を捨ててしまいたいと思ったことか。
永遠に消えてしまいたくて、存在していなければならないことが苦しくて、終わりの時を願い続けた。
ぽきりと無残に折れた心は、修復不可能だった。
ずっと息を吸い込めなかった。
自殺未遂をすれば異質分子だと指をさされる。
大が亡くなったことを受け入れられないでいても、差別と好奇の混じった目で見られる。
そんな世界では窒息しそうでたまらなかった。
ある時、ある人に言われたことがあった。
あれは、私が川に身を投げた時だっただろうか。
『友達が亡くなっただけで、自分の命を投げ出すなんて間違ってる。
大切な人を亡くした人はあなた以外にもたくさんいるけれど、みんな前を向いて生きている。
だからあなたももっと強くなりなさい』と。
耳を塞いで、うっかり入ってきてしまったその言葉を、体の内から追い出すように叫びだしたくなった。
私の大への思いを、他のものと一緒にしてほしくない。
つらさを受け止めきれる容量だって、だれもが違うはず。
それなのに、どうして同じものさしで測られなければならないのだろう。
少しでも違って劣っているものは、どうして排斥されなければいけないのだろう。
――もちろん、自殺未遂に歯止めがかかるわけがなかった。
そして気づけば母親を泣かせてばかり。
こんなふうに育てたはずじゃないって、多分何度も思わせた。


