「……な、んで。なんで謝るの……」
「もっと早く君に出会えていたらよかった。
そうすれば、独りになんてしなかった」
まるで自分を責めるみたいに後悔の滲んだ声を耳元で吐き出す明希ちゃん。
「どうして、こんな私に、そんな、こと」
「君を大切にしたいから」
私の声を遮ったのは、明希ちゃんの迷いのない声だった。
ぎゅうっと、まるで消えゆく私を離すまいとするかのように、強く覆いかぶさって抱きしめられる。
「俺がいる。
大くんの代わりになんてなれないかもしれないけど、ヒロの声には気づける。
だから怖い時は怖いって叫べばいい。
寂しい時は寂しいって弱音吐けばいい」
そして、
「――君はひとりじゃない」
弱った心に寄り添うように呟かれた言葉が、私自身を囲っていた鉄の鎖をいとも簡単に砕いてしまった。
「……っ」


