ある日を境に、〝ファン一号くん〟は河原へ来なくなって、本名も住んでる場所も知らなかった私達はそれきりになってしまっていた。
でもまさか、こんなところでもう一度会えるなんて。
数年越しの思いがけない再会に、思わず声を上ずらせながら当時のあだ名を呼ぶと、彼はなにか頭の中を探るように目を瞬かせた後、申し訳なさそうに視線を外しながら言った。
「あー。悪いけどそれ、双子の兄貴かも」
「……え?」
双子……?
予想外の展開に、興奮が、空気の抜けた風船のように急激にしぼんでいく。
そう、なのか。別人、ってことか。
ずっと会いたかった人に会えたと思ったのに、やっぱりそう上手くはいかないか……。
「すごく似てるから、間違えられることよくあるんだよね。
でも、そっか。君は兄貴に会ったことあるんだ」
それはそれは、何度も。
私は〝ファン一号くん〟に会っていた過去を強く肯定するように、こくこくと頷いた。


