「このサンドイッチと、君の卵焼き、交換してくれない?」
じっと無言で観察していると、そう言いながら彼が手に持っていたビニール袋からサンドイッチを取り出す。
「え?」
「物々交換ってやつ。
俺、卵焼きが大好物なんだよね」
「別にいいですけど……」
言いかけて、そこで思わず口をつぐむ。
あたしの卵焼きと、サンドイッチ。
卵焼きの対価にサンドイッチなんて、なんだかお返しが大きすぎて釣り合ってない気がする。
お昼に卵焼きだけなんて、私だったら餓死レベル。
「卵焼きだけじゃ、お腹空いちゃうんじゃ……」
突然の提案に対する不安から、思わずそう口にすると。
「俺なら、他にも食べたから大丈夫」
問題ないというように、彼が完成された隙のない笑みを浮かべる。
なら……いいか。
「じゃあ、どうぞ」
私は卵焼きを勧めつつ、サンドイッチを受け取った。


