いつからいたのか、そこに──ドアを背にするようにひとりの男子が目の前に立っていた。
まず引き込まれたのは、ガラスがはめ込まれたような綺麗な瞳。
そしてアッシュベージュの柔らかそうな髪に、女子がキャーキャー言いそうな洗練された端正な甘い顔立ち。
制服は適度に着崩され、耳には黒くて丸いピアスが光っている。
学年ごとに色が違うネクタイが緑色だというところから察するに、ふたつ上の3年生なんだろう。
こういうキラキラしたタイプの人は、常に周りを見下していそうな気がして、いつもなら距離を置くのに、なぜか今すぐ立ち去ろうと足が動くことはなかった。


