「頼だけど。」

特に変装をしている訳でもないけど マンションエントランスのインターホンのところの画質ってあまり良くないから。

『どうぞー、入って入って。
9階だからね。』

「分かってる。」

迎えた火曜日。

現在15:00少し前。
直前になって 行くのが億劫になってしまって 家を出るのが遅くなった。

9階に着くと エレベーターの前で田中が俺のことを待ってくれていた。

「来てくれてありがとう。」

「いえいえ。
予定が少し前倒しになる可能性があるから 6時までに ここ出るつもりでいるから。」

「……そっか、分かった。」