「……綺麗事にしか聞こえない。
違う人を当たってください。」

主演なんだから、俺が周りを引っ張ることは当たり前のことだ。

現場の雰囲気づくりにしたって、そうだ。

当たり前のことをして褒められても困る。

「なら、酷いこと1つでも言って 私を幻滅させてくださいよ‼︎

そうやって、厳しい言葉を投げかけながらも 優しいから 好きになっちゃうんです‼︎」

「……あまり大きな声を出さないで、赤の他人に迷惑をかけることになる。」

俺はゆっくりと息を吐いた。