「やっぱり、頼が吸ってるの 辛いや。」

あはは、と笑う澪緒。

「澪緒は何吸ってるんだったか⁇」

「セブンスター。これは何だったっけ⁇」

「マールボロ。」

「恋が吸ってるやつが1番いい匂いするよね。」

「ピースか。
俺にはちょっと、甘ったるすぎる。」

「うん……美味しいんだけど 味より匂いの方が好き。」

そうこう言いながら、吸い終わって また缶チューハイを手にしていた。

俺が酔いで寝落ちる少し前くらいに 澪緒が "眠いー" って最後に言ってから 暫くすると スースーという寝息が聞こえてきた。

酒に強い澪緒のことだから、きっと酔い潰れた訳ではないんだろうな。

立つのも億劫で 手を伸ばして掛け布団を手に取り 澪緒に掛けてあげた。

グラスが倒れて落ちて割れたりとかして怪我しないように 机の中央あたりにまとめた。

それから 電気を消して、俺も眠りに就くことにした。

眠る前、澪緒の言葉が頭に浮かんだ。