「…なーんてね、じょ……っ!」


彼のほうを向き冗談だといいかけた時、





……キスをされた。





「これで許してくれる…?」


上目遣いで聞く彼。

自分でもわかるくらい今のわたしの顔は真っ赤だろう。

ほんと、ずるい……。


「……許す…」


精一杯絞り出した声でそう言うと、彼はあふれんばかりの笑顔で笑った。


その顔にまた胸がなった。



「帰ろっか」


そう言って自然に手を差し出してくる彼。

ああもう。

きっと何年たってもわたしは彼には勝てない。