さくらside

わたしの彼氏はかっこいい。

きっちりと着られた制服からのぞく長い手足、メガネの奥に隠れた切れ長の目、サラサラの黒髪。


でも本人はそれに気づいていない。
わたしはいつ誰にとられるかドキドキしているのに…。


彼は目立つほうではない、それなのに密かに狙っている女子が多いんだ。


「新山さん!」


ほら、わたしのことを呼びながら走ってくる彼を頬を赤らめながら見る女子がたくさんいる。

こんなに見られるのに気づかないなんておかしいんじゃない!?どんだけ鈍感なのよ!

彼は自分に自信がない。いつも僕になんかに新山さんは似合わないとかなんとか言っている。


そんなのわたしだって同じなのに…。