それでも。



「伶奈、また後でな」


そう言って私の頭を撫でる廉に対して高鳴るこの胸の音は、"恋" というやつで間違いないんだと思う。




─────廉は、あくまでも友達だった。




たまたま同じクラスになって、たまたま仲良くなって。


そいつがたまたま、タラシだったというだけであって。





好きにならない自信があった。



というか、友達として隣にずっといて、こいつだけは好きになっちゃいけないと肝に命じて来たのに。