*** 「伶奈。伶奈って、」 「……何?」 それからの私は、不自然なくらいに廉を避けてしまっていた。 だって、無理だもん。 いつも通り一緒になんかいたら、忘れたくても忘れられない。 神様、どうかこいつを好きになる前の私に戻してください。 そんなくだらないことを願ってみたり。 だって、完全に好きになる人を間違えたよ、私。 「お前さ、なん────」 「廉太郎〜。今日の放課後どこ行く?」 こんな、女タラシを好きになったって辛いだけ。