*** 「お、珍しい格好してるじゃん」 「……悪い?」 やってきた土曜日。 珍しくスカートを履いて見た私に、廉は物珍しげにそう言ってきた。 認めたくないけど、少しでも廉に可愛いって思ってもらいたいという自分がいる。 厄介だ。恋なんて。 ましてや、こんな奴に。 「カラオケでも行く?」 「ノープランかい」 「伶奈と出かけることしか考えてなかった」 「……バーカ」 誰にでもいうんだ、こいつは。 こいつに一緒に出かける女友達なんて、私以外にもたくさんいる。