「当たり前だ!返事がほしいんだけど...」

 冷たい風が肌をなでるように吹き、下校のチャイムが鳴る...

「ごめん...」

この一言を発した刹那、よっちゃんとも今までの思い出が脳裏に浮かぶ...楽しかった事、ウザかった事、優しかった事。

 「そっか...時間取らしてごめんね...」

なぜか胸が苦しくなった、張り裂けそうなくらいに..しだいに目に涙が出てきた。
 
 「なんで..私泣いてるんだろう?」
 
 その言葉を紫希が発した瞬間に泣き崩れた。
 
 「どうしたの?大丈夫?」
 
 枯れた葉っぱが紫希の目の前に落ち後ろには人影がある。
 でも、声でなんとなくわかった。

 「ごめん、慧宮君、どうしたの?なんか用事?」

 涙の積もった瞼を拭き笑顔で対応した。

 「笑顔...」

「ん?どうしたの?」
 
 「何でもない!まーいいや、今日一緒に帰らない?」
 
 慧宮くんの誘いを私はなにを考えていたのか断ってしまった...