校門を出て、やっと腕が解放され息を吐く。

肺が痛い。

ゼェハァと両膝に両手を乗せて息を整えていると、佐野がポケットを弄り何かを取り出した。


『うわぁ…』

「あ?」


取り出した物を口に咥え火を付ける。


『お前場所と状況考えてそれ吸ってる?』


ふう、と紫煙を吐きながら流し目でこちらをみる佐野。


ポケットに手を突っ込みながら歩く姿はヤンキーのそれ。 

めちゃくちゃ近くにいるのが恥ずかしい。


あからさまに距離を取りながら佐野の後ろを歩いていると佐野が急に足を止めた。