優しい君は今日も嘘をつく




樹さんはすぐに俺たちの元を離れていったが、心理はわからない。


残された美晴と、俺。


美晴を見ると今にも泣き出しそうな、苦しい顔をしていた。


ごめんな、美晴。
あの頃のよく笑う美晴にさせてやれなくて。


俺のせいで笑顔を奪って、そんな顔ばかりさせて。


………けど自分を責めて美晴に謝ったところで何も変わらない。


それなら今は、自分ができることをしてやることが俺の役目だから………


顔色が悪い美晴に帰るようにと促した。
だけど美晴は部活に行くと言った。