こんな風に手をつないだりするのって初めてな気がする。


細くて小さいその手は、じっと静かに俺の手に包まれていた。


隣を歩く美晴はいつもより小さく見えて。


どこか遠くを見つめるように、ただまっすぐ前を向いていた。


視線が、交わることはない。


ただ、それでも隣にいる美晴が愛おしいと思った。


なぁ美晴。
お前はいつも何を考えているんだ?


自分じゃ解決できない質問を心の中で問いかけながら


俺は少しだけ手を握る力を強め、はなれないようにと思った。


油断したら消えてしまいそうな美晴と並び、歩きながら………。