「何か悩み事?」


なるべく優しく聞くと、美晴の瞳がぐらりと揺れた。


それは俺の質問に対して肯定してるようなものだ。


少しの間、また沈黙が流れる。


そしてようやく美晴は反応を示したかと思えば………


さりげなく美晴に触れる俺の手を払い、


「なんでもないよ。
まああるとしたら勉強がやばいことぐらいかな?」


と明るい声で話した。




さりげなく、だったのだが。


ストレートに言うと、美晴からの拒絶だった。