これには驚いた。
もしかして、バイト帰り?
一応聞いてみると、やっぱりそうだった。
ていうか、こんな遅い時間に人通りの少ない夜道を歩くなんて危なすぎるだろ。
だけど危ないと言う俺を見ながら、
「もう高校生なんだし大丈夫。
幸也こそ毎日こうやって走ってるの?」
とすぐ話を変える美晴。
まるで俺には関係ないからほっといて、とでも言うように。
その後も少し話していたら、突然黙り出す美晴。
ぼーっと何かを考えているような表情になる。
最近、こんなことが多い。
ぼーっとした後は必ずと言っていいほど、苦しそうな顔をするんだ。
ほら、また。
………その瞳に俺は映っているのか。
何を考えているのかわからない美晴。
俺はそんな美晴の頬にそっと触れた。
なあ、なんでいつも自分一人で抱えてるんだよ。
何を一人で溜め込んでるんだよ、美晴は。



