泣き止むまで、それ以上何も言わずにそばにいてくれた。
落ち着いてから、私はすぐに誤解を解こうとしたのだけど………
なんて、言えばいいの?
本当は嫌じゃない。
怖くて勇気が出ないだけ。
そんなこと言ったら全部言ってしまいそうで………
「もう立てるか?
家まで送るから、ゆっくり帰ろうな。」
私が話すより前に幸也が喋った。
「…………そんなの、いいよ。
幸也自転車でしょ。」
こうやって、言うタイミングがなくなったと自分に言い訳して。
また幸也に甘えてしまう私がいた。
「いいよ、明日も休日だし部活あるし。
今日くらい電車で帰る。
それより美晴が心配だから。」
優しく微笑む彼は、とても綺麗でかっこよくて………
今の私と正反対だった。
そしてこの後私は、幸也と一緒に電車に乗って家へと帰った………。