少しの間沈黙が流れた。


………最悪。
本当に何してるの、私。


バカじゃ済まされないほどのバカだ。


「…………悪い、急にこんなことして。」


そう言って私から離れる幸也。


……お願い、謝らないで。
幸也は悪くないから。


本当に、いつもこうだ。


先のこと、先のことを考えて結局空回りして。


その上さらに幸也を傷つけて終わり。


違うんだって。
今のは拒絶じゃないって。


ただ、怖くて勇気が出ないんだって……


「…………っ。」


言いたいのに、溢れる涙が邪魔をして言葉にできない。


そんな私の頭の上に、幸也は優しく手を置いた。


「……怖がらせて、ごめんな。」


こんな私にでさえ、優しく言葉をかけ無理矢理笑顔を作って安心させようとする。


これが、幸也なのだ。


そして私は歪んでいて、自分の惨めさが浮き彫りになる。