優しい君は今日も嘘をつく




「………樹先輩?」


固まる先輩の名前を呼ぶと、樹先輩は私から目をそらさず、そっと私の髪に触れた。


あまりに突然の出来事に思わずドキッとしてしまう。


先輩だからだろうか、年上の余裕というものが感じられた。


…………この人がモテる理由がなんとなくわかる気がする。


まあ私は樹先輩を好きになることはないけど………


そう思い、手を払おうとしたら勢いよく離れる樹先輩の手。


というか誰かに離されたようだ。