優しい君は今日も嘘をつく




「………樹先輩。
この間樹先輩が言ってた言葉覚えてますか?」


「え?」


「幸也の性格が私を傷つけてるって、言っていたんですけど……」


私が聞くと、樹先輩は


「ああ、覚えてるよ。
そうでしょ?あいつが千波ちゃんを中途半端に優しくするから………」


と言い、どうやら覚えていたようだ。


樹先輩はそう言ってたけど、違うよ。


「それ、逆です。」
「………は?逆って……?」


「私の性格が幸也を傷つけてるんです。
それで………


幸也の優しい性格が、幸也自身を傷つけてる。
だから、私は本当に大丈夫です。」


私が傷つく資格なんてないから。


だから私はそう言って、笑顔を向けると突然樹先輩が固まった。