優しく包みこんでくれるこの手も、大きくて、それ以上に……… あたたかい。 私にはもったいないくらいのあたたかさ。 それだけで泣きたくなる。 好きだよって言葉にできたらどれだけいいだろう。 いつだって私からは言えない。 幸也に限って拒絶することはないのは知ってるけれど、困らせたくないから。 今のこの矛盾する本心を全部幸也に話してしまえばどれほど楽になるだろう。 もしそんなことをしてしまえば……… どうなるかなんて私でもわかる。