「部活でもあんなに頑張ってるのに、すごいなぁ。自分が上手いからって天狗になったりしないんだね。」


「俺が上手いわけない。


こんなんで満足してたらこの先もっと上にはいけないからな。」


落ち着いた雰囲気で話す幸也の視線は私に向けられていて、それだけでドキッとする。


こういうひたむきなところも好きだなぁって。


だからこそ、こうやって歪み苦しい恋愛をさせてしまっている自分が嫌になる。


それなら今別れて幸也にはちゃんと好きになった人と結ばれてほしい?


そんな時、ふと千波ちゃんと幸也が2人話してる姿が頭に浮かんだ。


………ううん、やっぱり嫌だ。


考えただけでも胸が苦しくなる。
こんな考え方しかできない自分が心から嫌いだ。


どうしてこんな曲がった人間になってしまったのだろう。