「いや、今日は用事あったから遅くなっただけ。


それより……美晴こそバイトある日はこんな時間に帰ってるのか?」


「そうだよ……」
「そんなの危ないだろ。」


危ないって言われても、帰り道に特に何かあったわけでもない。


暗い夜道の中、目の前にいる幸也がいつもより大人っぽく見える。


だからなんだか子供扱いされている気分だ。


「もう高校生なんだし大丈夫。
幸也こそ毎日こうやって走ってるの?」


私は話題を自分から幸也の方に向けると、少し不服そうな顔をしながら


「いける日は大体走ってる。」と答えてくれた。