「お前が美晴ちゃんにあんな顔させてるってわかってる?」
「………はい?」
休憩が終わり、練習が再開した瞬間に樹さんにそんなことを言われた。
「お前が美晴ちゃんを傷つけてんの。」
………そんなの知ってる。
樹さんに言われなくてもこっちが一番わかってるに決まってるだろ。
だけどなんで樹さんに言われないといけないのか、それがわからなかった。
「だからと言って美晴に近づくのやめてもらえますか?」
少しきつめに俺が言うと、向こうもそれに対抗してきた。
「どうしようが俺の勝手だろ。」
………その後の練習は何かと樹さんと対戦する場面が多く、お互いがピリピリしていた。



