優しい君は今日も嘘をつく




なのに……


「野村くん、タオルどうぞ!」
「さんきゅ。」


俺にグイグイくるのは美晴と同期の、もう1人のマネージャー。


だけどこれで変に断って部内の空気を悪くしたくない。


だからいつも何も言わず、素直に受け取っていた。


…………それはまあ俺のことだから別にいい。


俺がとにかく気にくわないのは……


「美晴ちゃん!」
「美晴ちゃん、ドリンクちょうだいー!」
「疲れたよ、美晴ちゃん。俺に元気分けてー。」


一つ上の樹さんが妙に美晴に懐いてること。


ていうか絶対狙ってるだろ。