その瞬間、私の体の力が抜けた。



勝った………。
勝てたよ………。



みんな喜んでいた。



そんな中、樹先輩が幸也の元へと駆け寄り何かを話し、2人とも笑顔がこぼれていた。




普段の練習では2人ともうまい同士で、敵対心を抱き対決することが多かったけど試合ではお互い心強い仲間なのだ。



そんな幸也がふと私の方を向いた。



お疲れ、と口パクで言うと幸也は満面の笑みを浮かべた。



「………最後、幸也くんやったわね。」



1日目は勝ち残ったため、次は来週に試合が行われる。



だから今は帰る準備をしている最中だった。